抄録
本論ではコンピュータを利用した遠隔同期協同作業における複数マウスが、どのように作業を支援しているかを比較実験によって示す。比較実験には、Kneading Boardシステムを利用した。他者のマウスカーソルが表示される設定と、自分のマウスカーソルのみが表示される設定を用意し、それぞれの設定における協同作業のしやすさを、大学生を被験者として比較した。他者のマウスカーソルが見えることによって、①協同作業におけるポインティング、②場の共有感・ライブ感の構成、③協同作業の場において次に何がおこるかという予期が、可能になっていることがわかった。