抄録
本稿は,数学教育における創造性の育成に関して,後期中等教育の文系(人文・社会・経済系)の生徒に対する数学コンテスト,「数学A-lympiad」を実施しているオランダを取り上げ,その背景,制度,実際の取り組みを,2004年12月の現地調査をふまえてまとめたものである.このコンテストは大学準備教育の教科「数学A」の履修者が参加するもので,各学校で生徒が数人から成るチームを編成し,オープン・エンドの現実的な問題解決に取り組む予選を経て,上位16チームが決勝の全国(国際)大会に参加するものである.2004年度の予選の問題と,あるチームのレポート,評価の実際を紹介する.