抄録
有人宇宙の本格的な軌道上実験室"スカイラブ計画"の実施から約30年が経過した。これまでに、人間の宇宙滞在に必須となる宇宙医学の分野、流体・燃焼・結晶成長などの物質科学の分野、生物の宇宙放射線影響や重力感受メカニズムの解明を目指した生命科学の分野で数多くの宇宙実験が実施され、物理学や化学など基礎科学の分野でも、重力影響を排除できる軌道上実験室を利用した原理確認実験が行われてきた。重力影響の排除によって、"重力に覆い隠されていた自然現象"や"生物の隠れた能力と多様性"が見えてくる。このような認識から、科学教育や理科教育の現場においても、自然の姿や生物の多様性に関する理解を深める補助手段として、宇宙と宇宙実験を活用することが極めて効果的と思える。このために、これまでの宇宙実験の流れを参照しながら、成果活用の方向についてシンポジウム参加者と意見交換を行う。