筆者がアフリカ、ガボン共和国で行っている野生類人猿調査の現場では、教育レベルの低い地域住民が、実際の研究活動に参加することにより自然の事象に対する科学的な態度を身につけている。このことから、科学的態度の獲得には、(1)習熟度はあまり関係なく、(2)科学研究の実践に関わることが効果的だ、という2点が示唆された。そこで、博物館・動物園と学校の連携の推進において、学校が園館の研究活動に参加するというやりかたが構想される。このやりかたはは、展示物が日々異なる様相を見せる動物園においてとくに有効だろう。授業や課外活動で参加しやすい研究プログラムを考案することが今後必要となる。