日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
セッションID: 1G1-J5
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発表
1G1-J5 学校現場における宇宙生物学的実習教材の開発 : 身近なコケ植物の宇宙環境耐性(科学教育各論,一般研究発表,転換期の科学教育)
進藤 明彦松島 康小野 文久西村 直樹西平 直美三枝 誠行
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抄録
将来,人類が宇宙開発を行う際の宇宙環境を身近なものとして感じ,宇宙における研究・開発の必要性を認知させることは,今後の日本における宇宙科学技術の発展に必要不可欠である。しかし,学校現場において,宇宙生物学的な実習教材は,ほとんど開発されていない。本研究では,身近な植物の1つである,コケの胞子を実験生物として用い,直径13mmの石英管内に10^<-3>Paの真空状態で封入することで,模擬宇宙環境の学校現場への持ち込みを可能にした。この石英管内で,チヂレゴケ胞子を,1週間から最長2ヶ月間の真空曝露後,発芽率を調べたところ,いずれも90%以上の発芽率を示し,真空耐性があることが確認された。コケの胞子は,栄養分のほとんど無い寒天培地で発芽させることが出来るため,厳密な無菌操作を必要とせず,設備の無い学校でも実習が可能である。また,一度に沢山の胞子を真空曝露させることが可能であり,真空曝露した胞子を多数の学校へ供給することで,宇宙生物学的な実習教材として普及することが可能である。
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© 2007 日本科学教育学会
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