抄録
本研究は,日本の中学生と高校生の"Nature of Science"に関する理解の実態を質問紙調査とインタビュー調査によって明らかにし,その実態を比較することを目的とした。調査の結果,主に次の2点が明らかになった。まず,日本の中学生や高校生の多くは,科学知識が可変的でないと理解していたことである。次に,科学知識の生成における社会・文化的影響があると認識している日本の中学生の割合は低かった。一方で,影響があると認識している高校生の割合が,中学生に比べ若干増加していたことである。しかし,これら2つの調査項目に関する日本の中学生と高校生の理解の結果は,欧米の先行研究における結果に比べともに低かった。