抄録
本研究では、色彩科学に使われる色を示す指標を用いて、星の色やブラックホール降着円盤など発光天体を理論に近い色で再現することを試みた。その結果、星の色は黒体放射の色と近似しているといわれているが、実際に観測された恒星スペクトルから色を計算すると少し違うことがわかった。また、この計算を発展させて降着円盤についてもその色を得ることができた。カラー天体写真やシミュレーション結果の表現などでは、人工的に強調して鑑賞できる印象的な画像を作成することも重要だが、定量的に色合成してできるだけ正しい色画像を作成することも必要だと考える。