研究機関・大学の広報が作成する研究に関する広報資料(プレスリリース)は難解なものが多く、マスメディアの記者は正確な記事を書くのに苦慮するか、もしくは取りあげない。他方、2005年度から北海道大学を初めとする全国3大学で、科学技術コミュニケーターの修士課程相当の教育が始まっており、これらの課程を修了した大学院生や社会人には、研究機関・大学の広報担当者としての活躍が期待されている。北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(以下、CoSTEP)では、2008年度、広報力を高めることを主眼においた新コースを開講した。このコースでは、主な受講生を理系大学院生とし、科学技術について人材の養成を試みている。プレスリリースを基にしたニュース記事を書かせることで、受講生によいプレスリリース・よいパブリックリレーションズとはどういうものかを理解させ、一般の人に専門的な研究を伝えるために必要なサイエンス・ライティング能力を短期間に向上させる授業を作る。