抄録
本研究では,日本における「科学と人間生活」と文脈に基づいたアプローチであるドイツにおける"Chemie im Kontext"の比較を通して,文脈の選択と教材の形態について考察した。「科学と人間生活」に比べ"Chemie im Kontext"は文脈の選択を教員に委ねる部分があり多様性がある。また,形態はコンテキスト(物語)的な内容と概念的な内容との関係性を明確にし,系統的な概念の獲得も考慮されている。また,Chemie im Kontext Iにおいては,IIと異なりコンテキストと概念が一冊に混在している。これらを参考に日本における実社会・実生活と理科授業をつなげる教材の開発方向を検討する。