抄録
本研究は,溶解度の学習などで用いられる曲線グラフと棒グラフの両方が記載された複合グラフの読解能力に関して調査を行い,実態を明らかにするものである。曲線グラフも複合グラフも初見である小学校6年生への調査の結果,曲線グラフが単独で示されたならば,曲線上の数値の読み取りや,計算はできる事が分かった。しかし,曲線グラフと棒グラフによる複合グラフによって溶解度の学習を行う場合,まず,曲線より下の領域が溶けている量を表しているというトップダウン処理が適切に行えるように指導する必要があるという事が分かった。