本研究は,テルミット反応で鉄-アルミニウム合金が作り出せるという仮説を設定し,生徒が教科書で学ぶ基礎化学的事項を活用しそれを証明していく探究活動に関するものである。反応させるアルミニウム量を通常の1.7 倍にまで増やすと次第に生成物の質量は減少していき,それ以上となると逆に増加した。なお,生成物である鉄にアルミニウムが含まれることは,生成物を塩酸に溶かし,水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加え,希塩酸を加えて水酸化アルミニウムが生成することで確認している。これらの結果から,鉄にアルミニウムが置き換わった合金様生成物,および内外にアルミニウムが積層・集合した生成物が生じるものと考察した。