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テクノロジを利用した学習支援
稲垣 成哲
セッションID: 2I2-C
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本学会でプロジェクト型研究の話題が取り上げられたのは,2003 年であった。従来にないタイプの研究であり,新しい研究マネジメントの確立が求められた。その後,13年が過ぎた。当時,提唱されていたプロジェクト型研究はどうなったのだろうか。少なくとも,現在,プロジェクト型研究は,テクノロジ利用の学習支援研究では主流の一つになってきた。しかし,科学教育研究を取り巻く状況を鑑みると,見逃せない状況も散見される。今後の科学教育研究におけるプロジェクト型研究は大きな岐路に立たされている。
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-理科教育の立場から-
猿田 祐嗣
セッションID: 2S3-C1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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グローバル化する社会における科学教育のあり方を考えるには,これからの社会で求められる資質や能力,特にいわゆる21 世紀型学力を抜きにして議論できない。学習指導要領改訂にあたっては,21 世紀を生き抜く資質・能力として基礎力・思考力・実践力を位置付け,さらに理科において育成すべき資質・能力にPISA の科学的リテラシーなど国際的に通用する新たな能力を導入しようとしている。
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―数学教育の視座から―
小山 正孝
セッションID: 2S3-C2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,「グローバル化する社会における科学教育を問う」というテーマに,数学教育の視座からアプローチする。そのために,国際比較研究の手法を用いて,英国王立協会(RS)と全米教育協会(NEA) の科学教育政策に関するドキュメントを事例として,日本の数学教育政策との比較・考察を行った。その結果,教育政策には共通な方向性が認められるとともに,そうした教育政策をいかにして学校での教育実践に,さらには子どもたちの学びへとつなげていくことができるかが共通した喫緊の重要課題であることが明らかになった。
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大谷 忠
セッションID: 2S3-C3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,現行の学校教育で実施されている技術・家庭科の現状と課題について検討した。その結果,技術・家庭科における歴史的変遷より,本教科は約60 年の歴史を経て,男女共修となる技術教育を実現したが,一方では時代の変化による社会の要請によって,生活に根差した技術教育が求められるとともに,一つの教科としての「技術」と「家庭」の指導内容に,異なる生活に対する捉え方が発生していることが推察された。このような歴史的な経緯を踏まえ,生活者の視点に立った技術リテラシーを育成するためには,「技術」と「家庭」の両方に含まれる技術的な内容がリテラシー育成に活かされていない側面に課題が挙げられた。
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―アメリカのSTEM教育改革 の理論と実践を踏まえてー
熊野 善介
セッションID: 1A1-F1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本課題研究は2つの基盤研究(B)の支援を得て展開している、STEM教育改革のアメリカにおける動向調査におけるインタビューの分析、「米国連邦政府によるSTEM 教育改革」、そして、「高等学校生物におけるプロジェクト(課題解決)型学習による教科横断的な科学的思考・態度の深まりに関する実践的な研究」、さらに、「山梨学院大学附属小学校における実践的な研究」から構成されある。これらを通して見えてきたSTEM教育改革の理論と実践の特徴のを明らかにするとともに、これからの研究の方針、展開内容について明らかにする。
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齊藤 智樹, 熊野 善介
セッションID: 1A1-F2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究はA National Action Plan (NSB, 2007)に着目し,関連する諸文献との関係から米国におけるSTEM 教育改革の一端を解明したものである. なお,アクションプランにおける勧告は80 年代における勧告(NCEE, 1984)を踏襲している点が多く, 今日のSTEM 教育改革, 特に工学の台頭について, 当時に立ち返って改めて調査する必要を論じた.
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奥村 仁一, 熊野 善介
セッションID: 1A1-F3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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有精卵の孵卵から実際に雛が誕生することを経験的に確認させるため人工孵卵実験を行ったところ、生徒達は生命の連続性や生命の神秘を体感し生物学的知識の拡張がみられた(奥村・熊野,2016)。ただ雛の誕生には至らなかったため、生徒達の強い希望によりさらに雛の人工孵化を目指したプロジェクト(課題解決)型学習を継続的に実施した。これは米国の科学教育であるSTEM 教育の視点からはPBL(Project Based Learning)に該当する学習手段であると考えられる。STEM 教育の視点からはPBL(Project Based Learning)に該当する学習手段であると考えられる。
本実践では、生徒達が人口孵化を成功させるために自動転卵装置と携帯型孵卵装置のデザインおよび製作に主体的に取り組んだ。その結果、装置の開発のためのグループ学習から、様々な教科横断的思考(STEM 的思考)の深まりがみてとれた。また、雛の誕生および装置開発についての感想から、命の誕生に感動する一方、親鳥の孵卵を人間が人工的に行うことの難しさや自然の営みの緻密さなどをより一層感じていたことが読み取れた。そしてその困難を解決するために生徒達自身が考え、話し合い、1つの最適なデザインを創造していく過程において、教科横断的なSTEM の活用が見られ、またそのことを生徒達自身が気付いていたことが分かった。
このことより、プロジェクト(課題解決)型学習(PBL)の実践が、生徒達の科学的態度の育成や深化に有効な手段であることが示唆された。また次期学習指導要領の改訂に向けて検討されているアクティブ・ラーニングに繋がる取り組みであるとも考えられる。
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-理科教育の課題克服を目指す研究開発学校の取り組み-
小林 祐一
セッションID: 1A1-F4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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小学校におけるSTEM 教育を指向した授業実践と,それによって得られた成果や課題を整理する。各種調査で示された理科や科学の学習への意識や態度に関する課題の克服を目指し,実社会や実生活とのつながりを重視した工学的なアプローチを特徴とする指導方法と新たなコンテンツの開発に取り組んだ。3年間の実践の累積により,「科学の学びの有用感」や「実社会・実生活との“つながり感”」において,児童の意識に顕著な変容(改善)が見られた。
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河野 純大
セッションID: 1A1-G1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では2016 年4 月に施行された「障害者差別解消法」の概要を述べ,国や地方公共団体等にとっては法的義務となった「差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」について例とともに解説し,今後の科学系博物館における合理的配慮のあり方について述べる。
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佐々木 とき子, 岩崎 誠司
セッションID: 1A1-G2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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科学系博物館では、標本を公開と保存を両立させるために、展示標本をガラスケース内に設置することが多い。このことが視覚障害者の情報アクセスを難しくしている。国立科学博物館では、主に視覚障害者に対する情報提供の方策を検討するために、常設展示の現状調査および学習支援プログラムの開発と試行を行った。本発表では、その概要と課題について報告する。
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北海道博物館における新たな自然史展示の試み
水島 未記, 堀 繁久
セッションID: 1A1-G3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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筆者らは、2015 年春にオープンした北海道博物館の総合展示のうち、北海道の生態系および生物多様性を扱ったテーマである「生き物たちの北海道」を担当した。そこでは、元々博物館に興味関心がある層に対してより深い学習効果をもたらすだけでなく、博物館好き層ではない層、興味レベルが高くない層も含めた「その他大勢」にリーチするための展示手法および表現手段について模索した。本研究では、企画意図を紹介するとともに、そのアプローチおよび考案した具体的な展示手法等について報告する。
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中瀬 勲, 生田目 美紀, 寺野 隆雄, 江草 遼平, 小川 義和, 小林 真, 溝口 博, 楠 房子, 稲垣 成哲
セッションID: 1A1-G4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,科学系博物館等における展示支援及び学習支援の現状を,情報アクセシビリティ(Design for All,ユニバーサルデザイン,インクルーシブデザインを含む)の立場から世界的規模で明らかにし,その指針と評価手法の方針を打ち出すことである。本稿では,博物館等の科学コミュニケーションの現場において,聴覚•視覚障害者に代表される情報弱者が直面している諸課題を明らかにするとともに,先進的な海外の科学系博物館の現状を調査・視察した結果を報告する。
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稲垣 成哲, 楠 房子
セッションID: 1A1-H1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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科学系博物館や動物園等の社会教育施設における科学教育の重要性は当然のこととして意識されてきている。それは,社会におけるサイエンス・コミュニケーションの質を高める課題であり,それぞれ多様な努力がなされてきている。しかしながら,科学教育的な知見を踏まえた効果的な展示支援手法の開発はさほどなされていない。本課題研究では,科学教育に固有な方法論において,どのような展示支援手法が考えられるのか,その実際はどうなるのかなどの諸課題を議論したい。
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酒井 嗣之介, 玉木 晴也, 太田 耀介, 江草 遼平, 稲垣 成哲, 楠 房子, 杉本 雅則, 溝口 博
セッションID: 1A1-H2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では,古生物や古生態環境は現実世界で体験できないために,想像することが児童にとって困難であることに着目した.そこで,どのような博物館においても学習者が仮想的な古生態環境に入り込める学習システム“BESIDE”の開発を行っている.開発中のシステムを小学生28名に実際に体験させ,体験後にアンケートに答えてもらった.その結果,本システムの学習支援の有意性が示唆された.
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江草 遼平, 街道 梨紗, 齋藤 万智, 楠 房子, 稲垣 成哲
セッションID: 1A1-H3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,タンジブルインタフェースを用いた古生物展示鑑賞支援システムの開発と評価を行っ た一連の研究のまとめと,その成果について述べる。本システムは,実物の化石標本をオブジェクトとして用い,古生物に関する情報にアクセスすることで,博物館の展示鑑賞を支援する事前知識を提供するものである。システムの展示学習支援効果を検討するために,小学5 年生を対象とした評価実験を行った。その結果,システムが博物館内の古生物展示に関する理解を促したこと,豊かな鑑賞を支援したことがわかった。
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田中 維, 江草 遼平, 楠 房子, 山口 悦司, 稲垣 成哲, 野上 智行
セッションID: 1A1-H4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
動物園において,人々は観察を通じて,動物を理解することができる.しかし,人々は余暇のために動物園に来園し,観察を行わない傾向にある.そのため,動物園において,教育支援が行われている.本研究では,一般来園者である子ども向けの教育支援として,観察の視点を紙芝居で提供した研究を整理する.観察の視点を提供するにあたって,観察内容の問題を設定し,予想を立てた上で観察を行うこと,観察可能な視点を提供すること,また,動物に関する観察の視点は,アニメーションを用いて表現することが有効であることが明らかになった.
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三宅 志穂
セッションID: 1A1-H5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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動物園は、科学・環境リテラシーの育成、生物多様性保全意識の普及、環境問題を共有する市民育成の観点から、環境教育の場として期待されている。博物館展示の3 原則を反映して、来園者の環境問題意識を喚起する展示をどのように開発していけばよいであろうか。本研究では、筆者が学生らと開発したコミュニケーション型展示の事例から、聴衆者に認知的学習の側面と情緒的刺激の側面がどのように反映されたのかを調べた。その結果、認知的学習の側面では、8 割近くの聴衆者にとって初めて知ることであり、教育的印象を与えていた。ただし、伝わる知識や情報の詳細は断片的であったり、それぞれ異なっていた。情緒的刺激の側面では、本研究で意図した環境問題のテーマは好意的評価ながらも悲しい物語として印象づいていた。また、聴衆者の目の前にいる動物の生い立ちをストーリーにしたことが、共感性を生み出す効果につながったと考えられた。本展示は生物多様性保全という環境問題への意識向上を意図して、認知的学習の側面と情緒的刺激の側面の両方に作用する展示のやり方を提示できた。
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竹内 慎一, 志賀 研介, 前田 聖志, 佐藤 京郎, 廣岡 知人, 五十嵐 真, 大野 真吾
セッションID: 1A2-G1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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アクティブ・ラーニングの要素の一つでもある自ら「問いを立てる」力の育成を目的とした新しい理科教育番組「カガクノミカタ」を開発した。この番組は毎回ある「科学の見方」に注目し、その見方を通して見慣れた事象を見直すことで、新たな問いの発見を促すものである。番組の概要と成果、今後の課題を報告する。
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ガクノミカタの基盤的スキル
塩瀬 隆之, 水町 衣里, 土井 祐磨, 竹内 慎一, 加納 圭
セッションID: 1A2-G2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,科学教育番組と水族館との連動ワークショップについての報告である。とくに分野横断的な「科学についての知識」を主題とした番組内で紹介する科学的な見方の一つ「くらべてみる」を,社会教育インフラとしての水族館で実践することにより,日常生活や課外学習においても科学的な見方の定着を図ることができる身近な学習資源として活用する方法を示す。
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~NHK E テレ「考えるカラス」連動ワークショップを例に~
加納 圭, 水町 衣里, 塩瀬 隆之, ヘイチク パヴェル, 岡本 雅子, 佐々木 孝暢, 西田 賢仁, 竹内 慎一
セッションID: 1A2-G3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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課題の答えを知らない前提で観察、仮説、実験、考察を行うやり方を「科学の考え方」とし、NHK E テレ「考えるカラス~科学の考え方~」と連動した「科学の考え方」が習得できるアクティブラーニングプログラムを開発・実施した。「科学の考え方」の評価法などが今後の課題である。
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水町 衣里, 川上 雅弘, 加納 圭, 和田濱 裕之, 遠山 真理
セッションID: 1A2-G4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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幹細胞研究を高校生に伝えるために開発された『幹細胞研究やってみよう!』は,若手研究者になったつもりになってコマを進めるすごろく風のボードゲーム教材である。このゲームを通じて,幹細胞研究を理解するために必要な生物学的知識に加えて,研究者が日々どのように研究生活を送っているのかを知ることができる。本稿では,この教材の開発過程と活用の仕方を報告する。
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磯部 洋明
セッションID: 1A2-G5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,「答えのない問題を考えること」「常識や日常的な価値観を相対化し,違う見方をする余地を拡げること」を目的に開発された教育プログラム「宇宙箱舟ワークショップ」を紹介する.そしてそれを通じて見えてきた,科学の考え方の功罪を伝えることの意義と困難について議論する.
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―モデルのつながりを視点として―
川上 貴, 米田 重和, 佐伯 昭彦, 立石 耕一
セッションID: 1A2-H1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
本研究では,モデリングを重視した算数科「速さ」の単元開発の可能性を追究している。本稿では,グラフ電卓と距離センサーを用いた「速さ」の導入指導において,小学校6 年生が複数のモデルを創出し,それらのモデル間を行き来しながら「歩く」事象を漸次数学化していく様相の一端を明らかにした。その上で,現実事象を核として,児童が漸次的な数学化を辿りながら体系的な「速さ」の概念を構成していくことができる学習指導系列の必要性について指摘した。
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-“Mathematics and science for life”の教材の分析に基づいて-
伊藤 伸也
セッションID: 1A2-H2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究の目的は,数学学習の意義や数学の必要性の実感をもたらしうる,数学科における実社会と関わる探究に基づく学習指導の開発のための一モデルを示すことである.そのために,EU におけるプロジェクトであるMascil の枠組みを示し,その典型的教材とされる「薬の濃度」を分析した.本教材は,生徒が,薬理学研究者の「職場の世界」の役割を担い,薬の用法・用量の根拠を数学が与えていることに「探究に基づく学習」を通じて気づき,数学を学ぶ意義や数学の必要性を実感しうるものである.
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渡辺 美智子
セッションID: 1A2-H3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
本研究では、不確実性の数理モデルとしての統計モデルとは何かを概観し、日常の現象のモデリングに果たす社会的役割を予測と制御(マネジメント)の観点から解説する。その上で、科学教育における科学的探究の中で、統計的モデリング教育の体系化の必要性を論じる。
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池田 敏和
セッションID: 1A2-H4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では,まず算数・数学科カリキュラムに位置づける数学的モデリングに関わる活動の構成要素として,①数学的知識の獲得,②モデリング能力の獲得,③社会における数学の役割の理解,の三つを特定した.そして,カリキュラム系列に関して,現実事象の考察から数学的知識の萌芽・発展までを一連の流れで捉える位置づけ(①に対応)を先行させながら,徐々に,モデリング過程に潜む思考の理解やモデルの役割を主たるねらいとした位置づけ(②,③に対応)を増やしていく等の指導系列を特定した.今後は,この方針を基に,単元構成の在り方について検討していく必要がある.
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-ニュージーランドの教科書を参考にした授業実践を通して-
中越 進
セッションID: 2A1-F1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究の目的は,確率の実践と考察を通して,小学校算数科における確率の位置づけの示唆を得ることである。そこで,ニュージーランドの初等中等教育で実践されている確率指導を参考にし,小学校第3学年で授業実践を行い,分析,考察を行った。これらの結果から,以下の3点が明らかになった。
① 「確からしさの考え(主観確率から間主観確率)」から導入することは有効である。
② 日常事象を取り上げ,起こりやすさを定性的に表す活動が,確率的な実験場面を数値で表すことにつながり有効である。
③ 現行の学習指導要領におけるカリキュラムにも「確からしさの考え」を位置づけ導入することができる。
これらをもとにして,小学校における確率指導の実践に向けての示唆を得ることができた。
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-統計カリキュラムの改善への提言-
石綿 健一郎
セッションID: 2A1-F2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究の目的は,中学校における箱ひげ図の授業実践と評価テストを通して,箱ひげ図に対する生徒の理解を評価し,統計教育のカリキュラムについての示唆を得ることである。授業実践と評価テストの分析の結果,生徒が箱ひげ図の概要を理解し,複数のデータを比較して傾向を読み取ることができるようになること,及び,学習の結果,生じやすい誤解があることという示唆を得た。このことから,中学校における統計教育のカリキュラムについて,次の2 つを提言した。①中学校の指導内容に箱ひげ図を位置づけること。②「資料の活用」領域で学ぶ図やグラフの関連性を考慮すること。
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~新体力テストの相関を題材に~
冨田 真永, 峰野 宏祐
セッションID: 2A1-F3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿の目的は「新体力テストの相関」を題材に,データから統計モデルをつくる過程に焦点を当てた授業実践を行い,指導並びにカリキュラムへの示唆を得ることである.共分散・相関係数等,相関の数量化を目的に①モデルの限界について考察する活動②統計モデルづくりの活動③モデルを評価・検討・修正する活動の3段階の枠組みで実践を行い,「象限の度数比」や「最小二乗法」の素地となるようなモデルが生徒によって引き出された.統計カリキュラム改善への示唆としては「統計モデルの評価・修正・発展を意図した指導の包含」を指摘した.
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柗元 新一郎
セッションID: 2A1-F4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究の目的は,筆者らが進めてきたプロジェクト研究の成果の上に立って、初等中等教育段階における統計のカリキュラムの構想の骨格を提案することである。研究から得られた知見と,先行研究を参考にしつつ,「カリキュラムの構成原理案」と「カリキュラムの系統案」を提案した。
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― 領域「資料の活用」における授業化に向けて ―
青山 和裕, 辻山 洋介, 永田 潤一郎, 小松 孝太郎
セッションID: 2A1-G1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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領域「資料の活用」の指導においては,不確定な事象を考察の対象とし,生徒が 資料の傾向をとらえ,自分の予測や判断について根拠を明らかにして説明できるようにすることが求められる.本研究は,「資料の活用」において課題探究として説明することのカリキュラム開発を目指し,トゥールミンの「論のレイアウト」に基づく学習レベルと移行過程に関する枠組み,「資料の活用」第1 学年の内容に即した「内容-活動対応表」というこれまでに成果に立脚し,授業化について検討する.授業という形で具体化するにあたり,題材の選定や授業での発問など生徒に無理なく移行を促すための工夫が必要であった.
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― 領域「資料の活用」における授業化の試み ―
髙橋 伸茂, 青山 和裕, 辻山 洋介, 永田 潤一郎, 小松 孝太郎
セッションID: 2A1-G2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では,中学校数学の領域「資料の活用」において課題探究として説明することのカリキュラム開発を目指している。これまでトゥールミンの「論のレイアウト」に基づく学習レベルと移行過程に関する枠組みの構築,及び第1学年の内容に即した「内容-活動対応表」の作成と授業化の検討を行ってきた(青山ほか,印刷中;辻山ほか,印刷中;永田ほか,2015)。本稿では,これまでの研究に基づいて実際に行った授業実践について報告する。授業化にあたっての手立てとして,特徴,主張,理由の三つから構成される説明のひな型を用い,また,日常生活と関わりのある題材を用いて学習課題を設定した。授業では,生徒たちが楽しみながら主体的に課題解決に取り組むことができ,筋道立てた説明を苦手とする生徒も自分の考えをまとめ相手に伝えようとする姿勢が観察された。
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―領域「数と式」における第1 学年の学習活動の具体化―
佐々 祐之, 長谷川 英和
セッションID: 2A1-G3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究は,課題探究として証明することの学習を実現するためのカリキュラム開発の一端として,中学校第1 学年の領域「数と式」における学習活動を具体化し,実証的研究を通してその成果と課題を考察したものである.フィボナッチ数列の構造をもつ「たけのこ数列」という題材をもとに授業化を行い,実証授業を行った結果,中学校第1 学年の段階における代数的証明の学習活動においては,命題の生成とその一般性の認識,証明の構成における「表す」「変形する」「読む」というサイクルの構成が重要であることが明らかとなった.
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-第3学年の内容「平行線と線分の比についての性質」-
永田 潤一郎, 島尾 裕介
セッションID: 2A1-G4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿は,永田他(2013)による中学校第3学年の領域「図形」における学習の構想うち,「平行線と線分の比についての性質」の授業化に関する提案である。実践を通して,普段から広く行われている指導を基にしても,完成した証明の一部を改め,新たな図形の性質を証明することの学習が可能になり得ることが分かった。一方で,現状ではこうした見方で新たな図形の性質を導くことに馴染めない子どももみられ,教師の指導の在り方も含めて検討することの必要性が示唆された。
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-材料・物質に関する教育内容と教育課程の視点から-
谷田 親彦, 大谷 忠, 磯部 征尊
セッションID: 2A1-H1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本課題研究では,2010 年から2014 年にかけての「科学技術リテラシー」に関する課題研究の議論を踏まえ,科学・技術に関係する技術教育と理数教育の連携・協働の在り方を模索するため,教科間の教育内容に関する相互関連性を把握し,教育課程における適切な位置づけなどの検討を進めることを目的とする。本年度は,中学校技術科における「A 材料と加工に関する技術」で扱われる「材料」と,理科で扱われる「物質」に焦点を当て,技術的,科学的な観点から教育内容の在り方を検討し,相互の関連性と異質性について議論を深めたい。
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大谷 忠
セッションID: 2A1-H2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,従来から技術科の「木材」や「金属」等の材料の内容に関して,理科と密接に関連する内容が多い点を踏まえ,教育課程で扱う「材料」の内容について整理するとともに,教科専門分野の動向を取り入れた「材料」教育について報告した。技術科の「材料」教育の内容には,材料の特徴と利用方法について学習する内容等が含まれており,教科書の内容にも実験・観察等を通して「材料」を学ぶ内容が取り上げられていた。本論では,これらの内容のあり方が,技術科の時代の要請の影響を受けやすい性質を有していることを踏まえ,最新の教科専門分野の動向を取り入れた「材料」教育の本質的な内容として,「構造」「性質」「性能」「加工性」等の要素について抽出した。
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網本 貴一
セッションID: 2A1-H3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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科学技術教育を担う技術教育と科学教育の連携・協働のあり方を模索する基礎研究として,中学校技術科と中学校・高等学校理科の教育内容および教育課程との関連を整理した。「材料と加工」・「エネルギー変換」・「生物育成」に関する技術の3 単元は,理科における既習事項を踏まえた技術科での学習展開が可能である。一方で,「情報」に関する技術の単元については,技術科で習得した情報収集・データ計測の方法を活用した,理科の内容をより深めるための学習活動・教材開発が望まれる。
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-フランスの事例をもとに-
三好 美織
セッションID: 2A1-H4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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科学・技術に関わる教育の連携・協働の可能性を検討するため,フランスを事例として,科学及びテクノロジーに関わる教科の教育プログラム,前期中等教育段階で試行的に実践されている「科学・テクノロジー統合教育(EIST)」の取り組みを分析した。これらを踏まえ,科学・技術に関わる教育の連携・協働に向けて,各教科の固有性を理解すること,教科の枠組みを超えた統合的な視点から学習内容を再検討すること,連携・協働の支援体制を確立すること,などが必要であることを指摘した。
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磯部 征尊
セッションID: 2A1-H5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,イングランドで 2014 年に改訂された教科「Design and Technology」の材料と,数学や科学などの他教科との連携に着目し,ナショナル・カリキュラム及び,「デザインと技術学会(Design and Technology Association: DATA)」の発行する文献に基づく検討を行った。その結果,ナショナル・カリキュラムには,明確な使用材料の記載はほとんど見られなかった。「DT のためのエキスパートグループ(Expert Group for D&T)」が作成した「DT における進行フレームワーク」には,ナショナル・カリキュラムの具体例としての材料の性質や構造,加工法に関する知識が見られた。
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- 科学教育とテクノロジー,エンジニアリングの関係 -
人見 久城
セッションID: 2A1-H6
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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テクノロジー,エンジニアリングのとらえ方をアメリカの科学教育文献から考察し,課題研究における討論への話題提供とする。エンジニアリング・デザインは,実際の問題に対する解答や解決策を得るために,科学的知識を適用させたりすることを指向した学習活動である。
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安藤 秀俊
セッションID: 2A1-I1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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学習指導要領では「理数教育の充実」がうたわれているが,昨今のわが国を取り巻く状況を考えると,資源の乏しい国として科学技術の発展は国際競争力の基盤であり,そのための理数教育の充実は当然の施策であろう。しかし,理数教育の充実と言いながら,理科と数学の融合的なカリキュラムなど,理科と数学の共通性や関連性を意図した学習活動は,わが国においては極めて少ないのが現状である。こうした背景を踏まえ,過去2年にわたり課題研究発表の場を設け議論してきた理科と数学の関連性について,あらためて論点を整理し,理数教育の充実の方向性について考察した。
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