琉球大学が実施する科学教育プログラム「琉大ハカセ塾」の受講生が提出した,合計113本の「研究計画書」の記述内容を分析することを通して,受講生の研究の指向性と研究概念の発達程度を分類した。いくつかの研究計画書においては,自分の知りたいこと,行いたい実験等についての記述がある一方で,明瞭な疑問文あるいは疑問形の接続詞を欠くなど,「衝動的」な研究概念の段階が認められた。また,疑問の対象とする現象の中身について検討すると,「どうなっているのか」,「どうなるのか」などの疑問の対象とする現象について予測や仮説が立てられていない状態や,「表土の違いにより汚染の状態にも違いがあるのか」や「淡水魚の泳ぎ,ヒレの使い方,つくりは関係があるのか」などの予測や仮説が立てられている疑問形の形などに,分類することが可能に思えた。これらの結果をもとに,児童・生徒の研究概念の発達過程について考察する。