日本科学教育学会年会論文集
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新型コロナウイルス感染拡大をふまえた小学校・中学校理科カリキュラムへの「免疫」の位置づけに関する検討
*長島 康雄
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抄録

新型コロナウイルスの感染拡大は,日本・世界に大きな影響を及ぼした.突然変異によって野生生物に由来するウイルスが今後も新たに出現することを前提にした理科教育を検討しなければならない.本稿では感染拡大の間接的な要因としてウイルスや免疫に対する科学的な知識の欠落の問題点を指摘する.そこで,ウイルスならびに免疫について義務教育段階で日本人全員が習得すべき内容としての位置づけた理科カリキュラムを検討した.過剰に恐れるのではなく,科学的な知見をふまえて正しく対処するための見識を持つための理科カリキュラムである.小学校理科カリキュラムとして「生物のスケール」という単元を導入し,最も微小な生物としてウイルスを扱うこと,中学校理科では「ヒトの体を守る仕組みとしての免疫」という単元,ならびに「生物に由来する災害としてEco-DRRの視点による災害対処」を導入することの有用性を指摘した.

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