アーギュメントを段階的に指導していくために,山本・神山(印刷中)は,証拠の適切性や十分性を吟味する活動を加えた教師教育プログラムを開発している.本研究では,このプログラムの効果を明らかにするために,プログラム後における評価課題の結果から,受講者によるアーギュメントの評価能力を報告する.小学校教員志望の教職大学院生16 名を対象として,山本・神山(2017)の評価課題をベースに改変した設問を実施した結果,構成要素が不足していたり,自身の主張に結びつかない実験結果を利用したりしている事例に対しては,それが誤りであることを概ね正しく評価できていることから,適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメントの評価能力を育成する上で,プログラムには一定の効果があった.しかし,構成要素が揃っていることを明確に言及したり,利用できる証拠は全て利用することを指摘したりする能力は不十分で,課題として残された.