日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
44
セッションID: 1
会議情報

論文集
文系・理系とは何かー学生による定義
*岡本 紗知
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

文系・理系というのは基本的に学問上の区分だが、個人の特性などと結び付けられることでステレオタイプ化につながることがある。本研究は、この文系・理系を学生自身がどのように定義をしているのかを明らかにするために実施した。42名の半構造化インタビューデータから、学生が文系・理系を7つの着眼点に基づき分類することが明らかとなった。これら7分類は、「興味の対象」「技能」「知識生産の性質」「知識生産の方向性」「思考のプロセス」「思考の出発点」「思考の到達点」である。この中で、「思考のプロセス」に言及した学生が最も多く、ここには「文系は感情が許されるが、理系は感情を排除して考える」や「理系は論理的に考える」というものが見られた。しかし、例え同じ単語で表現されても学生により解釈が異なったことから、学生の文系・理系の定義は、ある程度の共通性があるものの、完全に一致することはないことが明らかとなった。

著者関連情報
© 2020 日本科学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top