波の干渉は,2 つの波源から平面上に伝わる波が重なりあい,双曲線上に強めあう位置,弱めあう位置が存在する現象である.この現象は概念的には非常に難しく,教科書のような静的な図のみでは学習者の概念的理解は十分なところに到達することができず,教員は波の干渉を演示,作図,数式など,多様表現を活用して教えようと試みる.今回,ある大学におけるオンライン授業後に,学習者に波の干渉をコロラド大学で開発されたPhET シミュレーションで探究させることを課した.シミュレーションは探究が可能な設計となっており,学習者には非常に好評であった.レポートを分析したところ,学習者は「現象を図で理解」,「現象を数式で理解」,「現象を図と数式を結び付けて理解」といった理解をしていることが分かった.