主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
地域博物館において目前で観察される地域の自然現象を扱う場合には自然史博物館の手法が有効な場合が多いが,科学館的手法を持ち込む必要が生じることがある.この場合に,これまでの研究で明らかになった課題に加えて,「ちょっとした考え方のコツ」を伝える方法が課題となることが浮かび上がってきた.琵琶湖博物館で遭遇した具体的な事例を例示検討した結果,説明を受けた側がその説明で思考停止してしまいがちなのを進めて適切な理解へ誘導する工夫が必要である事例,対象を量的に比較する場合の理路や視点を逆転させて考える要領を伝える必要がある事例,現象について検討する前提となる現象自体に対する適切なイメージが形成されていないことが障害となっている可能性の高い事例などが見出された.