中学校理科単元「大地のつくりと変化」における火山の学習に関連して,火成岩の観察が行われている.火成岩には深成岩と火山岩があり,深成岩は等粒状組織,火山岩は斑状組織であることを学習し,さらに,SiO2 の含有量が増えるにつれて岩石の色調が白っぽくなることを学習する.しかし,実際の岩石の見分けは難しいと受け止める生徒が多く,学習内容の定着度は高くない.本研究では,火成岩の観察をじっくり行わせるため,学習者一人ずつに1 セット火成岩標本を提示することにした.岩石は岐阜県周辺の河川の礫から観察に適したものを選んで収集した.また,それを収納するために,斬新なデザインの段ボール箱を特注した.製作した火成岩セットを用いて,中学校の理科授業を実践した.学習者一人ずつに1 セット標本セットを与えたこと,箱のデザインが斬新であることから,学習意欲が高まることが明らかになった.