日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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論文集
女子の理系進路選択拡大に向けたSTEM分野の新たな高大接続モデル
4か国比較から
*河野 銀子
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抄録

本稿では,本課題研究「女子の理系進路選択拡大に向けたSTEM分野の高大接続について」の全体像を示す.そのため,大学のSTEM分野専攻に女性を増やすことができる高大接続のあり方を探る共同研究で想定した問題の所在と研究の背景,成果の一部を述べる.STEM分野への女性・女子の参画拡大にかかる研究や政策が先行している欧米では,女子を対象とするプログラムの成果が芳しくなかったため,政策の焦点がジェンダー主流化へとシフトしたこと,日本の女子の理系進路選択研究は構造要因に関する研究が不十分であること等が明らかになった.また,日本の女子の大学進学者の理系選択率は上昇していないことがわかった.4か国における調査から,高大での理系定員や就職との関係,理系選択にかかる多様な支援のあり方が女子の理系選択を促進する可能性が示唆されたことも踏まえ,本研究の知見を総括していくことが課題となった.

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