日本科学教育学会年会論文集
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Print ISSN : 2186-3628
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日米数学カリキュラム文書における「推論(reasoning)」の意味への定量的アプローチ
*大谷 洋貴
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抄録

数学カリキュラム文書における「推論(reasoning)」の意味を報告した国際比較研究はほとんどない.本稿では,米国と日本の数学カリキュラム文書について,“reasoning”と「推論」の語を中心とした共起ネットワークをKH Coderを用いて描画して分析することで,それらの語が各文書においてどのように概念化されているのか,それらの特異性は何かを探索的に分析・比較した.結果として,米国数学カリキュラム文書での“reasoning”は数学的証明に関係するスキルであり,数学を理解するための手段となっているが,日本での「推論」はスキルとの結びつきをもたず,生徒が理解すべき対象となっていること,そして,“reasoning”は証明だけでなく帰納や空間関係とも結びついている一方で,「推論」は証明と共起せず,演繹にのみ強く結びついていることを明らかにした.

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