主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第47回年会
回次: 47
開催地: 愛媛大学
開催日: 2023/09/18 - 2023/09/20
本稿の目的は,小学校下学年の比例的推論をユニット化・ノルム化に着目して捉え,特に,問題解決において端数が生じたとき,児童はユニットをどのように再構成したり,それを使って問題場面を解釈したりするかを考察することである.目的に対して,第2学年において行った授業実践の中から,2つの授業における計8名の児童の思考過程を整理した.その結果,個数に端数が生じたときに,その端数にどう注目するか,どんなユニットを構成するか,ユニットの妥当性を検討するか,ユニットをどう用いて場面の解釈を行うか,のすべてにおいて多様な様相が見られた.端数をユニットとして捉えるまでの試行錯誤,ユニットの妥当性の検討の難しさや引き算の使用など,分数や除法の学習前の児童の実態が確認された.