日本科学教育学会年会論文集
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Print ISSN : 2186-3628
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論文集
乗法導入時の子どもの量概念と指導における教師の困惑
*新井 美津江
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抄録

本稿の目的は,比例的推論の育成という視点から乗法導入指導における量概念の重要性と指導の困難性を明らかにし,指導のあり方の示唆を得ることである.分析対象は,教師が期待する応答が乏しいため困惑する授業場面のやりとりとその振り返りである.明らかになった課題は①子どもが視覚可能な物の量に着目したり,量をまとまりという視点から把握したりすることは容易でないこと,②そのような子どもの困難性を認識していても,教師は言葉による量概念の指導法を継続したこと,の2点であった.指導のあり方として,ユニット化の初期段階である量をまとまりとみる視点の形成には,学習内容に応じて生活の中の事象と子どもの経験を結びつけながら子どもの理解を図ることが望まれる.

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