日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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アーギュメントを用いた「科学的根拠を活用した食行動の判断」を促す授業の開発
小学校第4学年「人の体のつくりと運動」における咀嚼に着目した学習
*松山 友香山本 智一
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抄録

本研究では,小学校第4学年理科「人の体のつくりと運動」において,食行動の一つである咀嚼に着目した「科学的根拠を活用した食行動の判断」を促す授業を開発した.模型教材と主張―証拠―理由付けを含むアーギュメントを導入することで,その効果を検証した.アーギュメントシートの記述内容の分析や質問紙調査によって,児童の学習内容の理解度と食行動に対する意識を調べた結果,ほとんどの児童が,頭蓋における骨と筋肉の働きの知識を科学的根拠として咀嚼時の体のしくみを考え,咀嚼の効果や意義を理解することができたことが明らかになった.しかし,食行動に対する意識に関しては,単元前後の有意差は見られなかった.児童が,科学的根拠を活用して理解したことを日常生活に反映していくためには,学習で得た知識を使って意思決定ができるような場面設定や働きかけの工夫が必要であることが明らかになった.

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