日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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論文集
コウジキンによる無機物生成の教材化
*加藤 伸明定本 嘉郎
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抄録

中学校の「自然界のつり合い」領域の学習では,分解概念において有機物が無機物になるという本来の意味づけはなされておらず,分解によって死骸が「土になる」「土に混じる」と意味づける素朴概念が構成されていることが明らかとなっている.筆者らによる概念地図法を用いた調査においても,概念地図で提示した概念ラベル中に存在する4種類の生物(「植物」「肉食動物」「菌類・細菌類」「草食動物」)ラベルと「二酸化炭素」ラベルとの結合順平均を確認すると,生態系で分解者として位置付いている「菌類・細菌類」は,他の生物と比較するとガス交換(呼吸)概念と密接に関わる「二酸化炭素」ラベルとの結合順平均が遅く,この2つの概念は結びつきにくいことが明らかとなった.本研究では,素朴概念の解消を促すため,コウジキン(分解者)の活動にともなって二酸化炭素(無機物)の発生を確認するための実験を追加実験として扱った.

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© 2023 日本科学教育学会
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