抄録
本研究グループでは,早期避難を左右する心理を分析し,それに基づいて線状降水帯や土石流・活断層・津波の仕組みを理解し,主体的に避難する感情理性視点からの教育プログラムを開発して,その教育効果を分析する.地震・津波・土石流・洪水等の映像を見て大変怖いと感じた感情からそれだけで終わらせず理性的な対策へとつなげるプログラムを作る取り組みを中心として,国内外の実践例とその評価を行った.本稿では,主に災害リスクを自分ごとと捉えて理性的に避難行動を促す取り組みを世界的視野で各国の長所を互いに学び,短所を克服する.さらに,開発したデータ遠隔収集システムを国内のみならず,モンスーン地帯の被災地でChulalongkorn大とテストし,タイや台湾の大学や国の機関とシステムの運用協議を行った.