抄録
国土面積に占める山地の割合が高く,温帯モンスーンに属し台風や前線の発達による集中豪雨が生じやすい日本列島は,毎年土砂災害の被害に遭っている.気象条件に加え,地殻変動が著しく断層の影響によって隆起した花こう岩等の岩体は侵食・風化も受けやすい.都市周辺では,戦後の高度経済成長期に大規模な宅地造成が進んた.住民にとって,このような自然条件の危険性が十分に認識されておらず,気候変動の影響を受けた近年の集中豪雨には経験がなく判断予測も容易ではない.本稿では土砂災害を例に,地域の課題を踏まえた社会教育及び学校教育での取扱いを探り,特にその焦点をSDGsとSTEAM教育から検討した.その結果,カリキュラム・マネジメントに留まらない学校の枠組や地域との連動が求められることが明確になった. SDGsやSTEAM教育の視点は重要であるが教育開発にはESDやSTS教育の再構築が一般化,理解につながる.