抄録
自然災害列島である日本は,SDGs目標11「住み続けられるまちづくり」で掲げられているように,まちの存続のため,子どもたちを含めたすべての住民・市民の備えと行動力が重要な鍵を握っている.本研究では島根県での実践事例をもとに,防災・減災教育のあり方とその重要性について議論する.安心して暮らせるまちづくりのための防災・減災教育が極めて重要であり,地域全体で防災・減災教育を進める必要がある.まちの防災力を高めるためには行政の力がもちろん必要であるが,防災意識の醸成には学校を中心とした子どもたちを巻き込んだ教育のあり方を提示する必要がある.本研究の結論としては,SDGsを意識した学校現場での魅力的で科学的な教材の開発と実践,および,専門家を巻き込んだ学校や公民館などでの研修・講習の2つが防災・減災意識の醸成にとって有効であることを議論する.