主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
本研究の目的は,すべての人のための理数教育(インクルーシブ理数教育)という理念のもとで,空間的推論を軸とした総合的な単元開発を進めることである.そのために本稿は,事象を理解したり変形したりといった目標のために働く,基本スキル(図を作成すること,映すこと,デザインすること)と下位スキル(合成・分解,変更,運動など)の組み合わせとして空間的推論を捉えた.そして,「ボーリング調査課題」に集団で取り組む中学校第三学年生徒の振る舞いを観察し,多彩なスキルの組み合わせとしての空間的推論の特性を調査した.その結果,空間的推論には個々人の能力というだけではなく,図を介して互いに影響し合うという状況的で社会的,創発的特性があることが明らかとなった.