主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
地球上の多様な生物には共通の祖先が存在することがわかっており,これが今日の生物にみられる共通性と多様性に反映されている.進化の道筋を枝分かれした樹木のように表したものを系統樹といい,多くの人々がその意味するところを直感的に理解することができる.しかし,中学校の理科を学んだ人は,その態度が真面目であればあるほど身近な生物の分類群を誤って理解しかねず,それ以後も修正されることは少ない.本研究では,「脊椎動物の分類と進化」,「陸上植物の分類と進化」および「相似な形質と相同な形質」を,中学校の科学教育における「生物の分類と進化」にまつわる3つの問題と位置づけて,誤概念がいかに形成されうるのかについて検討している.これまでに得られた結果からは,「生物の進化」を科学教育で扱うにあたって,本質的であるものの厳密な議論が避けられている事柄のために,かえって分類群に対する理解に問題が生じていると考えられた.