主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究の目的は,2024(令和6)年度から使用されている新しい小学校理科教科書に記載された「問い」の傾向を包括的に分析し,その特徴を明らかにすることである.国内で使用される6社の教科書を対象に,記述されている全ての問いを抽出し,中山・猿田(2015)の枠組みを援用して,問題解決の「場面」と「問いの種類」によって分類した.分析の結果,1)「背景」「問題」といった問題解決の導入部分に多くの問いが設定されている一方,「結果」「考察」段階の問いは少数であること,2)「はい・いいえ」型の問いが最も多く,次いで「どのように」型の問いが多いこと,「なぜ」という根源的な理由を問うものは依然として少ないこと,3)「エネルギー」領域の問いが突出して多く,領域によって問いの傾向に顕著な違いが見られること,4)観察・実験の方法を児童に考えさせる「方法」場面の問いが,従来報告されてきた割合より増加していること,などが明らかになった.これらの結果は,低次の問いが優勢であるという国際的な傾向と共通している一方で,「方法」の問いの増加など日本の学習指導要領改訂の意図を反映した特徴も示している.