小学校理科における評価研究の実態を探るため、昨年度、32都道府県、42校の研究紀要など、実践的資料を収集すると共に、学校にも訪問し、先生方から説明を伺った。その中で、理科の実践記録が掲載されている32校の資料 (昭和57〜61年発行) について、評価機能、評価者、評価方法という視点で分類を試み、整理した。その結果、教授活動へのフィードバックや単位時間の教授活動展開の参考といった機能に重点を置き、単元の達成目標を各時間に配分し、毎時間評価を位置づけている研究が多いこと、研究指定校の多くが、指導要録の観点に沿って目標分類をしているのに対し、指定校以外の学校の多くは、独自の観点を設けて目標分類をしていること、児童の自己評価をとり入れる場合、自己学習力や自己教育力の育成との関連で、自己評価そのものを目的とした捉え方をしている研究が多いこと、などが明らかになった。