日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
一般研究発表
生物のガス交換や燃焼に関する実験教材の検討
高沖 武
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1996 年 10 巻 3 号 p. 17-20

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抄録
小学校高学年から中学校にかけての教育課程(理科)の中にヒトを含めた生物の呼吸や光合成および燃焼がある。これらの生徒実験には空気中の酸素量をなんらかの方法で測定することが必要になる。最近,酸素センサーが開発され,空気中の酸素量を簡単に測定できるようになり,学校教材としても利用され始めた。そこで,従来の学校教材の検容法と新しい酸素センサーによる方法とを実験して,それらの教材性について比較検討した。検容計は装置が簡単で,安価なためグループ実験に適する。一方,酸素センサーの方は高価なため数多く準備することは困難であるが,クラブ活動などに適している。両者の特徴は,酸素センサーの方は呼吸のほか呼気や燃焼の実験もできるので,これらの相互理解に役立つ。しかし,光合成測定は,光照射による温度上昇が測定誤差になるため児童・生徒には困難であろう。その点,検容計での光合成測定は葉切片を二酸化炭素発生液につけることによって温度上昇を防ぐことができ,複数で使用して,温圧計をおくためこれらの誤差の補正が容易である。
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© 1996 一般社団法人 日本科学教育学会
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