抄録
中学校理科気象単元において,新しい学力観に立つ指導と評価の実践を行った。教材の開発・工夫,指導法と評価の工夫・改善をとおして,気象単元での生徒の理解の実態と指導と評価のあり方を考察した。その結果,身近な気象現象の教材化や課題研究は生徒の内発的動機を喚起し,生徒の情意面での評価は高い達成状況になった。科学的思考,観察,実験の技能・表現では良好な達成状況であったが,天気図の作成や天気図をもとにした考察に課題があることがわかった。知識・理解については「湿度」「露点」「飽和水蒸気量」などの空気中の水蒸気量に関する概念の定着に課題があることが明らかになった。また,評価については観点別評価を行うことによって目標が明確になり指導に生かすことができた。