抄録
筆者らのプロジェクトチームは, ケータイを利用したフィールドワーク支援システムを開発し, 2002年度から小学校の授業に導入してきている.こうした実証実験を始めて, 約4年が経過してきたが, その重要な成果の一つは, ケータイを媒介にして授業と保護者との連携が緊密に形成されてきたことである.その連携の仕方は, 主にWebを通して授業を参観する遠隔参加タイプと自宅での取材活動を展開する直接参加タイプがある.本稿では, 保護者との連携という視点から, 筆者らが2002年度から展開してきた実証実験を振り返り, 授業へのケータイの導入が学習コミュニティの拡張をもたらす可能性を例証する.