2007 年 21 巻 5 号 p. 35-40
ウマオイは俗に「スイッチョン」とも呼ばれ、夏の夜の風物詩として古くから日本人に親しまれてきた。しかし現代の子ども達の間では年々ウマオイの認識率が低下している。その原因のひとつに「シチョ」と短く鳴く、全く同形態の別種が棲息範囲を広めている事実がある。現代の大人達にはその認識がなく、子ども達が身近な生き物として興味を持っても名を教えることができない。生物教育に携わる者こそ多くの情報交換を行い、子ども達に確かな情報を発信していきたい。本研究では山梨県内のウマオイ属2種の生態分布と、高校生の認識度を5年毎に調査し、その変遷を報告する。