2007 年 24 巻 5 号 p. 39-40
日本物理学会から出版されている『大学の物理教育』(2010)には,学習指導要領改訂の特集が組まれている。そこに掲載されている5人の中学・高等学校教師の方々のご意見を通して,一部の声に過ぎないであろうがしかし教育現場の現状というか生の声にいくらか接することができた気がする。そこで筆者が感じたことは,大学教育の現場で基礎物理学などの基礎専攻科目や一般教養物理学の教鞭を執っておられる方々の意見はどこかにあるのだろうか,といった何か物足りない危惧の念のようなものであった。基礎物理学Ⅰ・Ⅱを長年担当してきた立場から,ここ数年間の苦闘を経験して到達した物理教育の一指導法について報告する。