日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
24 巻, 5 号
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表紙・目次
発表
  • ―その方法と実践―
    厚東 政人, 厚東 政人
    2007 年24 巻5 号 p. 1-4
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    生徒にとってわかりやすい授業を実施するためには,様々な工夫が必要である。「導入の工夫」,「驚きや感動を与える観察・実験」,「身近な教材を用いた授業」,「科学が生活に役立っていることを伝えること」など様々な方法がある。本研究は,コンピュータなどのメディアが発達し,素人でも気軽にプレゼンテーションソフトウェアを使っていろいろなアニメーションをつくることができるようになった点に着目し,プレゼンテーションソフトウェアを用いた理科の教材をつくり,生徒にわかりやすい授業を行い,学力向上を目指して取り組んだ実践である。あわせて,プレゼンテーションソフトウェアを使った授業の問題点や,問題点を克服するために新たに取り組んでいることも紹介した。新たなメディアの活用(デジタル)とともに教科書を使った学習やノートづくりを通した復習(アナログ)を行って,学力定着を目指して取り組んでいる実践の一例である。
  • ~教材の工夫・展開の工夫~
    松村 浩一, 池田 幸夫
    2007 年24 巻5 号 p. 5-8
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    教科の理解は、本質をつかんだ理解,共感しながら得た知識,歴史的・文化的な背景を理解した上での幅広い知識のつながりを得ることが大切である。そのためには,ねらいを持った観察や体験を準備すること,科学理論が発表された当時の歴史的・文化的背景を知ること,科学史を活用すること,生活へ応用されていることを具体的に知ること等と同時に,楽しい・おもしろい・きれいなどの感情を大切にした授業の実施について配慮する必要がある。そのためにも,教師の幅広い研修や教材開発が必要である。
  • 宮地 功
    2007 年24 巻5 号 p. 9-12
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    課題作成と評価活動を取り入れて,情報科教育法を実施した.この授業の最初と最後に,授業に関係した用語の認知度について調査して,その有意差検定をして,有意に知識量が増加したことが認められた.学習指導案を作成する力に関する意識の有意差検定をして,有意に意識が高まったことが認められた.
  • 宮本 俊光
    2007 年24 巻5 号 p. 13-16
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿においては,学習意欲をはかる算数・数学の授業方法論について考察するための教育内容及びその指導法について論究するための素材として,国内の水道水の供給状況と様々な関係について相関係数を利用する事によって明らかにしようと試みた.算数・数学科における「数量関係」領域等の教材としての基礎的な資料を提供する試みである.
  • 宮本 俊光
    2007 年24 巻5 号 p. 17-20
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿においては,理解の向上をはかる算数・数学の授業方法論について考察するための教育内容及びその指導法について論究するための素材として,国内の水道水の供給状況と様々な関係について相関係数を利用する事によって明らかにしようと試みた.算数・数学科における「数量関係」領域等の教材としての基礎的な資料を提供する試みである.
  • 藤代 昇丈, 宮地 功
    2007 年24 巻5 号 p. 21-24
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    高等学校の数学科における図形の性質の理解の向上を目標として,WBT用の教材を開発した。自作のWBT教材を活用した個別学習,ペアでの教え合い活動や相互評価等を行う協調学習,教師による足場がけを行う一斉指導を組み合わせたブレンド型授業を行い,その効果を検証した。その結果,数学技能検定問題の内,三角比に関係する図形問題の正答率において有意な上昇が見られた。また,情意的には,図形的なものの見方,考え方が有意に伸びる傾向が見られ,協調学習への意欲が有意に向上した。
  • 児玉 伊智郎, 池田 幸夫
    2007 年24 巻5 号 p. 25-28
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    トウモロコシには、黄色にする優性遺伝子と白色にする劣性遺伝子のはたらきにより、黄色と白色の種子(胚乳)が3:1の割合で生じるもの(以降、バイカラーコーンと呼ぶ)がある。この胚乳の色の遺伝は教材として広く知られており、黄色と白色の種子を数えて分離比を求め、3:1に近い値になることを確認するという学習内容が掲載されている高等学校「生物Ⅰ」の教科書もある。ところが、教科書では分離比については学習するものの、得られたデータに対する統計分析については触れられていない。科学的に思考する上で統計分析の概念は重要であるため、限られた授業時間の中で統計分析について指導する方法を検討し、授業を実施した。その際、統計学的な理論については最小限の内容に止め、統計分析の過程で必要な計算については、表計算ソフトを活用することで時間を短縮した。授業実践の結果、通常の授業の中でも僅かな時間を割くことで、生徒に統計分析の必要性を意識させることができる可能が示唆された。
  • 松原 憲治
    2007 年24 巻5 号 p. 29-32
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本報告は,TIMSS1999 理科授業ビデオ研究で収録された授業で,一般公開されている授業の一部を事例として授業分析を行ったものである。理科授業の教師と生徒のコミュニケーションについて談話分析を用いることで,教師の支援によって生徒の理解が進んでいく過程を明らかにすることを目的とした。分析単位は藤井(1983)の教師の発問と対応する生徒の応答を1単位とするムーブを援用した。事例として挙げた授業のグループ活動において,生徒の理解が進む際の教師の支援は,観察結果の確認,観察結果と既習事項を用いた判断,実験条件の確認,そしてそれらを学習のめあてに向かって整理することであった。ここから授業において生徒の理解の向上をはかるには,追加の説明やヒントによって生徒の応答を引き出すだけではなく,それらの応答を一方向に整理し,論理的に結び付けることが重要であると示唆された。
  • ―その方法と科学的思考の評価―
    池田 幸夫
    2007 年24 巻5 号 p. 33-38
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    観察・実験と理論・法則は自然科学を構成する基本的な要素である。両者の関係に基づいて,理科授業を2つの型に分けることができる。まず,観察・実験によって得たデータから,きまり(理論・法則)を帰納的に発見させる授業が理論追求型である。学校で行われている問題解決型の授業の多くは,この型である。一方,理論や法則を前提にして,問題解決活動に重点を置いた授業が理論依存型である。理論や法則に対する矛盾を自覚させる場面をうまく仕組むことによって,理論依存型授業は科学的思考力の育成に大きな効果を発揮し,科学に対する学習者の興味関心を高めることが可能である。
  • ~物理Ⅰ未履修率が7割以上の基礎物理学Ⅰ~
    山本 健治
    2007 年24 巻5 号 p. 39-40
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日本物理学会から出版されている『大学の物理教育』(2010)には,学習指導要領改訂の特集が組まれている。そこに掲載されている5人の中学・高等学校教師の方々のご意見を通して,一部の声に過ぎないであろうがしかし教育現場の現状というか生の声にいくらか接することができた気がする。そこで筆者が感じたことは,大学教育の現場で基礎物理学などの基礎専攻科目や一般教養物理学の教鞭を執っておられる方々の意見はどこかにあるのだろうか,といった何か物足りない危惧の念のようなものであった。基礎物理学Ⅰ・Ⅱを長年担当してきた立場から,ここ数年間の苦闘を経験して到達した物理教育の一指導法について報告する。
  • ~物理Ⅰ未履修率が7割以上の基礎物理学Ⅱ~
    山本 健治
    2007 年24 巻5 号 p. 41-42
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    今から約10年前までは,基礎物理学Ⅱでは電磁気学(静電気,電場,オームの法則,交流回路,静電誘導,…など)を中心に授業を組み立てていた。これに熱現象,幾何光学や電磁波などを加える余地のあろうはずがなかった。基礎物理学Ⅰと比べても基礎物理学Ⅱは決して易しいものではなかった。ところが,高校での理科の履修状況が一変する事態となった影響から,次第に生物または化学を中心に履修した入学生の割合が目立って増えてきた。しかも生物以外(または化学以外)に疎いいわゆる理科一科目型の新入生が多くなってきた。そのころから電場や交流などの学習が困難になり始めた。そして,最近では基礎物理学Ⅱ履修生の実に80%近くが高校でまったく物理を学習していないというような事態になっている。こうした状況をふまえ,物理現象から学んだ後,物理法則に触れさせる指導法をとり始めて,幾分かの効果がみられるので,それについて報告する。
  • -防府市立大道小学校の授業実践について-
    古屋 博志, 潮田 篤, 飯田 暁, 佐伯 英人, 池田 幸夫
    2007 年24 巻5 号 p. 43-48
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「理数大好きモデル地域事業」で、第5学年の「流れる水のはたらき」の授業実践を行なった。その結果、「自然現象に対する理解」と「学習に対する意欲」について学習集団全体として教育効果がみられた。本実践では、1次で洪水の写真を児童に見せて、学習課題をつくり、モデル実験を行った。2次では、モデル実験を行って理解したことを基に、実際の川で起こっている現象について考えたり、想像したりして話し合う活動を行なった。さらに、3次では、災害や災害を防ぐための工夫の具体例を調べる学習を行なった。「自然現象に対する理解」で教育効果がみられた主な要因として、このような一連の学習活動を展開したことがあげられる。なお、実際の川で起こっている現象について考える際、流水実験器を用いた実験がイメージ化の一助になっており、有効であった。一方、「学習に対する意欲」で教育効果がみられた主な要因としては、単元を通して主体的に活動できる場が数多く保障されていたことがあげられる。
  • − 具体的成果 −
    今林 義勝, 石田 靖弘, 進藤 公夫
    2007 年24 巻5 号 p. 49-52
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「知識伝達(Instruction)-事例化(Instantiation)モデル(Model)」における理科授業において,児童の主体的な学びの育成や学力調査等における学力の向上などにおいて,様々な成果が見られた。本発表では,小学校第5学年「流れる水のはたらき」における実践を中心に,意欲面・活用力の成果等の具体的な成果と子ども達の振り返りの言葉を元に,この学習モデルの学習成果について発表する。
  • − 導入に向けての疑問に答える −
    石田 靖弘, 今林 義勝, 進藤 公夫
    2007 年24 巻5 号 p. 53-56
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    授業モデルとしての「知識伝達(Instruction)-事例化(Instantiation)モデル(Model)」を採用した理科の授業においては、児童の主体的な学び、学力の向上、有能性や自立性の向上などが見られる。しかし、現場の教師がこの授業モデルを実際に採用する際には、様々な疑問や悩みが生ずるであろうと予測される。そこで本発表では、これまでの10年間の実践研究のあゆみを踏まえて、「知識伝達-事例化モデル(Instruction&Instantiation Model )」を導入する際の疑問に答えていきたい。
  • ―理科の授業モデルとしてのこれまでとこれから―
    進藤 公夫, 石田 靖弘, 今林 義勝
    2007 年24 巻5 号 p. 57-60
    発行日: 2007年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
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