日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
プレートテクトニクスを実感させる教材開発
-熊本県人吉市大畑地先を例として-
内田 暁雄三宅 由洋田口 清行村本 雄一郎田中 均
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2010 年 25 巻 2 号 p. 121-124

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抄録
プレートテクトニクスの教材は,教科書や資料集では地震や火山活動,造山活動等の単元の図・表・写真等で学習することが多いようである。本論では,子ども達が野外観察をしたときにプレートテクトニクスを実感させる教材としてメランジェを取り上げる。メランジェとは一般に“地図に描ける大きさで地層としての連続性がなく,細粒の破断した基質の中に色々な大きさや種類からなる礫・岩塊を含むような構造をもった地質体”として定義されている。熊本県人吉市大畑地先には,陸源物質からなる破断した砂岩,砂岩頁岩互層の中に海洋地殻を構成していた枕状溶岩(玄武岩),遠洋性堆積物である赤色~白色チャート,赤色珪質泥岩等が一つの露頭で観察することができる。すなわち,形成場所や形成時代が異なるさまざまな岩相が一つの露頭で観察される理由を考えさせ,理解させることが子ども達にプレートテクトニクスを実感させることに繋がる教材と考えている。
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© 2010 一般社団法人 日本科学教育学会
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