2010 年 25 巻 3 号 p. 19-22
お茶の水女子大学と東京都北区健康いきがい課が連携した北区食育体験教室は,平成 20 年度より実施され 3 年目を迎えた。この体験教室では,小学生の親子を対象に,理科実験や調理科学実習を体験するカリキュラムを実施した。身近な食品を科学的な視点から取り上げた「小麦の変身~ふっくらホットケーキ~」は,理科と家庭科を融合させたコンテンツであり,ふだんの食生活になじみの深い小麦粉を材料に,2 回シリーズでじっくりと取り組んだ。ホットケーキのふくらむ秘密を実験しながら探っていくことに加えて,小麦粉がどのような食品に変身しているかを考えさせ,参加した親子が日本の食の問題を考えるきっかけになることを目指した。アンケート調査では,1 日目 2 日目とも児童,保護者に高い評価を得ることができた。「理科で食育シリーズ」は,「理科と家庭科との関連性」や「生活と科学との結びつき」を参加者が実感を伴って楽しみ,理解させるために有効であると考えられた。