抄録
本研究は,小学校理科の学習における防災教育の展開を考え,実践し,その効果を確認しようとしたものである。筆者が勤務する由利本荘市は,洪水となり,避難勧告が出される地区がある。また,活火山である鳥海山が近く,噴火の際には災害に見舞われる可能性がある。そこで児童に対し,自治体と連携して理科の学習の中で防災教育を行ったところ,次のことが明らかになった。1.市内に全戸配布された防災マニュアルを見たことがある 5 ・ 6 年生児童は 20.0%であったこと2.危機管理課から提供された写真や情報を用いることで,児童の防災意識が高まったこと3.専門性を有しない教員も授業できるように教材化し,指導計画に組み入れる必要があること