日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
聴覚障害特別支援学校における理科授業の現状と課題
塩崎 絵理藤井 浩樹
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2018 年 28 巻 7 号 p. 75-78

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抄録

全国の聴覚障害特別支援学校(聾学校)教員を対象に質問紙調査を実施し,理科指導の現状と課題を把握した。調査結果において注目される点は,以下のようになる。(1)手話を主なコミュニケーション手段としている同学校では,理科用語や科学概念を表現するために,児童生徒が自ら手話を作るという活動が有効な指導法の1つとなっている。(2)理科指導における表現力の育成を比較的強く意識している教員は,観察・実験などの活動において児童生徒自身が表現する場面を意図的に設けている。(3)小学部・中学部・高等部を比較すると,小学部・中学部では高等部に比べて観察・実験がひんぱんに行われていること,また,少数の回答に基づくものではあるが,小学部では「話す」から「書く」,中学部・高等部では「書く」から「話す」という活動の流れに違いがある。

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© 2018 一般社団法人 日本科学教育学会
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