2018 年 28 巻 7 号 p. 83-87
マレーシアは,マレー系,中華系,インド系民族が混在する国家で,1957 年の独立以来, 多民族国家の統一と各民族のアイデンティティー維持との間で苦悩してきた。学校教育における教授言語を何語にするかは,国家の統一に大きく関わる問題である。マレーシアは 2003 年 1 月,全国一斉に科学と数学の授業を段階的にマレー語から英語に移行した。しかし,2008 年に全ての学年での移行が完成したが,教育効果が上がらないとの理由で,2012 年に再び教授言語を段階的にマレー語に戻している。学校現場で,教授言語の変更をどのように受け止めているかを調査した。