2018 年 28 巻 7 号 p. 105-110
本研究では,数学の教員志望者を対象に,「ゆとり教育」に関する質問紙調査を行った。調査対象の学生は概ね小・中・高で学んだ算数・数学の学習内容の量や難易度については満足しているが,ゆとり世代だと言われることに約 4 割の学生は抵抗があり,自分が学んだ学習指導要領で教わらなかったことを教えることについて不安を感じる学生も少なからず存在することがわかった。また,「ゆとり教育」についての説明をさせたところ,約 7 割の学生が単に「学習内容の削減」について記述をしており,当時の学習指導要領の意図が理解されていないようだった。