抄録
中学校と高校との理科の学習における円滑な接続を行うことは,高校生が3 科目の理科「基礎」科目を履修することとなった今,欠かせないものである。高等学校に在学中の本校卒業生へのアンケート結果から,物理基礎の特に運動方程式の内容につまづきを感じている生徒が多いことが判明した。そこで,定量的な実験結果のグラフ化や公式を導き出すことやそれらの意味理解ができる力を身につけられるよう,高等学校との系統性を意識したカリキュラム開発を行った。特に中学校3年生において「加速度」の概念を導入した単元構想を行った。その結果,加速度の概念を用いながら,式や計算から運動に関する事象について説明できる生徒を確認できた。