2014 年 29 巻 9 号 p. 35-40
平成10年の中学校学習指導要領の改訂により,中学校理科から「イオン」の学習が削除された。しかし,「イオン」の学習が削減されると多くの批判が殺到し,平成20年の中学校学習指導要領の改訂で「イオン」が中学校理科に復活した。イオンは電荷を帯びた原子などの粒子という点が難しく,理解しにくいと言われている。そこで筆者は,適切な電圧をかけることでイオン結晶を構成する有色の陽イオンと陰イオンの移動を同時に観察することができたら,生徒にとって,イオンを実感を伴ってとらえることができるのではないかと考えた。