2015 年 30 巻 3 号 p. 7-12
平成21年に告示された高等学校の学習指導要領の改訂により,「確率・統計」分野に関しては以前より学習する量が増加した。しかし「数学B」では,「確率分布と統計的な推測」の単元を履修する学校がほとんどなく,統計教育にとっては,大きな問題となっている。この単元では,学習指導要領において,理解を促すため具体的な例や作業,コンピュータなどを用いて直感的に理解させることが求められている。そこで,本研究では,具体的な例において,アメリカの高等学校で実施されている「AP Statistics」を参考にし,「確率分布と統計的な推測」の中でも確率分布に焦点を当て,Excel上でのシミュレーション教材の開発および検討を行った。