本研究では,授業態度記録システムによって集約した生徒の学習状況を可視化し,教員に提示した.さらに,半構造化面接法によって,授業態度記録の有用性について検討するとともに,教員の意識変化に注目した分析を行った.その結果,可視化された情報は教員にとって興味深く,教科横断的な視点で生徒の学習状況を把握できる点で有用性があることが示された.また,授業態度が良い生徒や悪い生徒だけでなく,何も特徴が出ていない生徒についても,見落とすことなく支援をする必要があるという回答が得られたことから,教員の意識に変化が見られたと考察した.一方課題として,授業をしながら入力することは容易でない点や,進路指導などで継続して使用していくために新たな仕組みが必要な点などが明らかとなった.