日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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発表
環境 DNA 分析手法による高校生研究活動への支援
源 利文伊藤 真之蛯名 邦禎
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2015 年 30 巻 7 号 p. 21-24

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抄録

高校生の科学研究活動がますますさかんになる中、生態学分野の研究では十分な数のフィールドデータを得られないなどの困難がある。ここでは、近年開発が進み実用化が急速に進む環境 DNA 分析手法を用いた高校生の研究活動への支援を行った例について報告する。兵庫県立農業高等学校の生物部が実施した希少淡水魚カワバタモロコの調査研究では、高大連携しての調査の結果、カワバタモロコの新規生息地を複数発見することに成功した。また、兵庫県立加古川東高校では外来のアカミミガメの分布調査に用いることのできる環境 DNA 分析系を開発し、野外への適用に成功した。これらの高校の研究成果は生態学分野の学会誌に学術論文として掲載されたり学会で賞を獲得したりするなど、学術的にもレベルの高い研究となった。本稿ではこのような事例を紹介し、環境 DNA 分析手法を用いた科学教育や環境教育の可能性について述べる。

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© 2015 一般社団法人 日本科学教育学会
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