2016 年 31 巻 2 号 p. 1-4
本研究は,広島高等師範学校附属小学校の低学年における玩具による理科教育の特色を分析した。その結果,広島高等師範学校附属小学校の低学年における玩具による理科教育の特色として,玩具に対する興味や探究心の喚起,工作意欲の喚起,理科の原理や原則についての知識の習得及び理解などのために,児童にとって身近で理解しやすい,且つ安価な玩具が理科の教材として用いられていたことを指摘した。また,教材としての玩具の選択と配列において系統性や発展性が重視されていたこと,授業において児童を主体とし,児童の発達段階を考慮して,児童相応に学習を進めることが重視されていたことなども指摘した。